スピン・エレクトロニクスグループ
マグノニクス

ナノ構造磁性材料や磁気現象などのスピン工学分野を中核にして、光や高周波電磁界、超音波や熱、電子伝導などとの協調現象を巧みに利用した基礎から応用にわたる研究を行っています。

MSHG (Magnetization-induced Second Harmonic Generation)

 我々の研究室ではナノスケール磁性構造体における第2高調波発生(SHG : second harmonic generation)、 磁気誘導第2高調波発生(MSHG : magnetization-induced second harmonic generation)について研究を行っています。 MSHGは非線形磁気光学効果の基本的な現象の1つであり、MSHGの磁気光学効果は通常の線形の磁気光学特性である カー効果やファラデー効果に比べて大きいことから、磁性体の非線形磁気光学が大きな関心を集めています。
 一方、非線形光学効果(SHG)は表面及び界面の構造に敏感です。1つの理由は、2次の非線形感受率テンソルは 物質内部ではなく界面にのみ存在するからです。そして界面の反転対称性の破れから発生する第2高調波の光強度は 入射光の強度の2乗に比例して大きくなります。もう1つの理由は、界面における光の波長よりはるかに小さな構造体に おいても反応を示すことにあります。例えば表面プラズモン共鳴のような光の局所的な共鳴が原因として挙げられます。 このように表面や界面及びその構造にSHG信号が非常に敏感なため、ナノ構造体におけるMSHGの発生機構を調べることは 非常に興味深いことです。
 我々はナノスケール磁性構造体におけるMSHGの影響を調べるために、 誘電率の異なる2種類の誘電体の周期構造の中間層に磁性ガーネット(Bi:YIG)薄膜を挟みこんだ 1次元磁性フォトニック結晶(1D-MPC)について検討を行ないました。 1D-MPCではBi:YIG欠陥層中の光の局所化効果により局在モードにおけるSHG発生効率の増大し(Fig. 1)、 また縦カー配置において局在モードで非線形磁気光学カー回転角が38°と大きな回転を示しました(Fig. 2)。 現在我々は表面プラズモン共鳴と非線形光学効果、非線形磁気光学効果との関係を調査しています。

Fig. 1 Spectra of second harmonic reflected from the 1D-MPC for p-in, p-out (open circles) and s-in , p-out (solid circles) polarization combinations for angle of incidence of 30°.
Fig. 2 SH polarization diagrams measured for s-polarized fundamental radiation for two opposite directions of magnetic field applied in longitudinal geometry of nonlinear magneto-optical Kerr effect.